理学部・経済学部水準の学術論文発表
小槻ら, 2025 水文・水資源学会誌
医学部・工学部・農学部水準の社会貢献
法学部水準の政策提言
文学部水準の書籍出版
課題解決を目指して浅く広くを極める
課題解決のために様々な知識を融合した取り組みが求められており、そのような能力に優れた人材育成を目指す教育機関・コースも少なくありません。しかしながら、研究という観点ではそのようなタイプの人材は多くはないように感じます。様々な分野を集めた組織を作る際のお題目としての“学際性”、“課題解決”、さらに言葉を選ばす言うと実際は従来の研究分野の寄せ集めという状況に思い当たる節のある方も少なからずいるのではないでしょうか。特に日本においては“学際”や“課題解決”というカテゴリーで研究者のプロ(博士)になるというキャリアを想像することは難しく、ほとんどの人が何らかの分野を、どんなに細かくても良いから極める方向に進んでいます。かく言う私自身も、まずは水工学・水文学の中の気候予測情報の活用という部分が基礎となり、その基礎があったからこそ現在の研究室を持つことができるまで至りました。浅く広くを極めるということがどういうことを指しているのかは未だ模索している段階です。そのような状況ですが、研究の細分化やそれにともなう課題が指摘される中で、私たちが目指そうとしているものには何らかの意味があるはずです.問題解決を目指して浅く広くを極めるという新しい道に進んでいきたいと思います.
水文・気象・地域に関する情報創出・情報活用方法の提案を極める
私たちの研究室では水を中心とする地域の課題について現状を分析、理解し、将来への道筋を立てるために有益となる情報を創出しています。これは何らかの新しい技術の発明、開発により問題が劇的に解決されるような研究と比べると地味で地道です。野球におけるホームランのように一発で状況を変える夢のある取り組みが重要であることは間違いありませんが、その一方でホームランが出ないときにコツコツとヒットを重ねておくことが重要であることもまた、間違いではありません。
地域にとって何らかの意思決定をする際に、その判断を支える情報がないということはとても残念です。私たちは水に関連した地域課題についてそのような状況がなくなるよう研究を進めます。意思決定にはある面と別の面から見た際にどちらが正解かということを結論付けられない場合も往々にあります。その時に誤った情報や不足した情報で判断が行われないようにすることは、情報創出を主に取り組む私たちが社会に貢献できる部分です。情報創出およびその活用方法の提案について極めてまいります。
成果発信・普及・実装を極める
私たちは大学の研究室であり公的な資金の援助を受けて研究をしているため、その成果を“論文”という形などで社会に広く発信することは最低限の責務です。ただし、研究成果は公開するだけで役に立つというわけではありません。昨今の大学や学術研究を取り巻く環境を踏まえると、積極的にその結果を発信し、普及・実装を図る取り組みが重要性を増しています。普及や実装に力をいれることは、“論文生産”という観点からは時として非効率です。しかしながら、私たちは論文公開は重要な目的でありつつも、時として手段であると考えています。最も重要なことは公的な資金の援助のもとで何を達成したかということであり、それは必ずしも論文だけではないはずです。とはいっても論文になるような成果がないのに普及・実装することもできません。土台となる研究をおろそかにすることなく、その上で、それがどのように発信されると、普及・実装に至るかを考え実行することを極めるべく努力を続けます。
普及・発信という観点では、講義(大学の中だけではなく、市民講座、高校や小中学校でのものも含む)や教科書、書籍、技術マニュアルなどの教育関連活動にも積極的に取り組みます。私たちは講義は大学に勤めるものの重要な責務の一つですが、それを責務ではなく機会であると捉えます。常により良い方法はないかを模索し、極めていきたいと考えています。